日本脳卒中協会福島県支部は2009年に福島赤十字病院脳神経外科に開設し、2022年に福島県立医科大学脳神経外科に事務局を移し現在に至っています。
これまでの支部活動としては、2009年に福島市で開催した第1回福島県市民公開講座を皮切りに、毎年県内各地で市民公開講座を開催し、脳卒中に関する予防・啓発活動をおこなってきました。脳神経外科のエキスパート、リハビリテーション医師、栄養士など多方面から講師を招聘し、脳卒中疾患の予防・診断・治療にとどまらず、東日本大震災が与えた住民への影響や認知症など多岐にわたる内容で県民の皆様への情報発信に努めてきました。新型コロナウイルス感染の拡大により2019年の第11回以降は開催を見合わせていますが、感染の収束状況を確認して再開したいと考えています。
所在地 福島県立医科大学医学部脳神経外科学講座内
支部長 藤井正純 福島県立医科大学 脳神経外科 教授
副支部長 鈴木恭一 福島赤十字病院 院長(脳神経外科)
福島県の健康寿命は、平成28年が男性71,54年(全国36位)、女性75.05年(全国24位)で、脳血管疾患の年齢調整死亡率(人口10万対)は、平成27年時点で男性43.7(全国値37.8)、女性が27.4(全国21.0)と全国よりも高い値です。こうした要因として、福島県内のメタボリックシンドローム、高血圧、脂質異常症の患者割合が高く、喫煙率、塩分摂取率も全国に比して高いことが挙げられます。これらを改善すべく、市民や医療従事者向けのイベントや講演会を開催しています。
【福島県脳卒中市民公開講座】
福島県支部では2009年から毎年、脳卒中市民公開講座を開催してきました。コロナ感染症が蔓延した2020年から2023年の4年間は開催を自粛しましたが、2024年から再開しました。市民の方に脳卒中に対する正しい知識を持っていただくことで、脳卒中の発症予防を進めると同時に、残念ながら発症してしまった際には迅速に適切な治療に繋げることを目的としています。
第1回(2009年)
脳卒中ってどんな病気 渡部洋一
脳卒中予防10か条+α 仲野雅幸
脳卒中のリハビリテーション 太田守
第2回(2010年)
そうだったのか脳卒中 浅利潤
進歩している脳卒中の手術 鈴木恭一
脳卒中にならないために/なってしまったら 太田守
第3回(2011年)
日本人のアイデンティティ ツベタナ・クリステワ
脳卒中の治療:外科の経験から 榊寿右
第4回(2012年)
脳梗塞の診断と治療 斉藤延人
脳の出血性病変の診断と治療 佐々木富男
第5回(2013年)
南相馬の脳卒中治療の現状と課題 及川友好
病気を知って人生を大切に 鈴木重晴
第6回(2014年)
出血性脳卒中に挑む 斉藤延人
梗塞から脳を守る 永廣信治
第7回(2015年)
全身血管病としての脳梗塞 永田泉
急性期から回復期、生活期と続く脳卒中のリハビリテーション 石川誠
第8回(2016年)
頚部からの脳梗塞 遠藤俊郎
元気で長生き 山浦晶
第9回(2017年)
知っておこう、脳卒中 三國信啓
いつまでも元気に!認知症の予防はできるの? 新井一
第10回(2018年)
脳卒中の基本と最先端の治療 松本康史
これから増える脳卒中:その最新事情 富永悌二
第11回(2019年)
脳卒中を予防するための食習慣 佐藤る美子
これって、もしかして認知症? 松本正人
第12回(2024年)
明日から使える「予防できる脳卒中・認知症」の知識 島袋充生
脳卒中を発症したらどうする:発症から診断治療まで 小島隆生
福島県内に16ヶ所ある一次脳卒中センターは、県内に6つある二次医療圏それぞれに1ヶ所以上配置されています。
16ヶ所の一次脳卒中センターを核としてtPAを用いた治療や脳血管内治療を速やかに行う体制を構築していますが、福島県は全国第3位の広大な県土を有しており、脳卒中患者様に対して24時間365日の対応を維持するためには更なる医療体制の充実が必要です。
このため、福島県では脳卒中を担当する医師の増員および育成に努めています。