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第1部 特別講演「脳卒中治療の最先端医療」

講演4「切らずに治す脳卒中」

 次に、「切らずに予防する」お話をします。脳梗塞の中でも頚部の動脈が細くなっている患者さんがいますが、このように動脈硬化で細くなっている方は、将来的に脳梗塞を再発する可能性が高く、脳梗塞再発予備軍といえます。そういう患者に対しては、薬で予防するという方法よりも外科的な治療(いわゆる煙突掃除)を行った方が、脳梗塞の予防効果が高いというデータがあります。

 しかし最近では外科手術に代わり血管内手術が行われるようになってきました。この治療にはステント(筒の中に入った金属)を用います。血管が細くなっているところに風船を入れて膨らませ、さらにステントを内側から張り付け血管を広げます。実際、風船で膨らませて、ステントを置いたところですが、血管が広がっているのがわかります。ステントだけを見てみると、このように鉄骨がきちんと入っているのが見えます。

 これを行うポイントとしては、ここに小さな風船がありますが、これで血液を遮断することです。風船を膨らませると、血管の壁から脂やごみがしみ出てきますので、そのしみ出てきたごみが頭の中に飛んで行かないように血流を止めて、後で掃除機をかけて、ごみを吸い取る必要があります。

 脳外科手術と血管内手術には、それぞれ守備範囲があります。昔は外科手術がメーンでしたが、血管内手術が得意とする領域が、徐々に増えてきています。ただ、どちらの治療にも単独では治療不能なものもあるわけで、この領域では二つの治療法が手を結んで対応するのが重要になっていくものと思います。

 今日は「切らずに治す脳卒中」のお話をしましたが、やはり「切らずに治す」というよりも「ならずに済ます」方がよいと思います。しかし、なってしまったら一刻も早く脳卒中専門医、診療医に相談していただきたいと思います。
 ご清聴ありがとうございました。

中川原座長
 ありがとうございました。今日は4人の先生に予防から最新の治療までお話しいただきました。脳卒中領域では、今、さまざまな治療が前に進んでいます。今日、皆さんがお聞きしたお話をぜひ健康管理に役立てていただきたいと思います。特別講演の4人の先生、どうもありがとうございました。