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第1部 特別講演「脳卒中治療の最先端医療」

講演4「切らずに治す脳卒中」

 次に切らずに治せる脳卒中ということで、脳梗塞についてお話しします。脳梗塞の形態として、脳の外側から血の塊が飛んでくるのが脳塞栓症で、動脈硬化により血管が細くなり、流れが悪くなっている所に、小さな血の塊が詰まってしまうものが脳血栓症です。どちらも他から血液が回ってこなければ脳が傷んで脳梗塞になってしまうわけです。

 こういう病気に対しては、血栓溶解という治療法があります。発症から3時間以内であれば、t-PAという血の塊を溶かす薬が有効です。しかし3時間以内といっても、病院に入って検査などをすると1〜2時間くらい、時間を取られますから、発症後1時間以内に病院に運び込まれないと、なかなか治療ができません。

 この他に動脈の中の詰まっている所に、直接カテ−テルを持っていき、詰まっている血栓の下、または向こう側で血栓を溶かす薬を入れる方法もあります。

 イメージ像ですが、血の塊の脇を通して奥側にカテーテルがいき、ここで血液を溶かす薬を流します。すると血の塊が徐々に溶けていきます。カテーテルで血の塊を砕く方法もありますが、このような方法で詰まった血管を再開通させます。

 一例をお見せすると、この方は右半身のまひと失語症で発症した方です。MRIを撮ると、少し脳梗塞になっていますが、発症から間もない脳梗塞でした。血管を見ると、血管が見えにくくなっています。「これはすぐに血栓溶解だ」ということで行ったわけです。

 これは治療前の正面から見た像で、これが終了時の像ですが、血管が出てきています。これは横から見た像ですが、血管がないところに、少し出てきている。この方は幸いなことに、手足の麻痺が改善しました。

 別の症例です。搬入時意識がなく、手足が動かない状態で運ばれて来た患者さんですが、ここで詰まっていました。これは風船で血の塊を砕く治療法ですが、赤い部分にあった血の塊が砕けて再開通できました。