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第1部 特別講演「脳卒中治療の最先端医療」

講演4「切らずに治す脳卒中」

 我々が行っている「切らずに治す治療」とは、「脳動脈瘤コイル塞栓術」という名が付いています。このような金属のコイル、略してGDCと言いますが、このようなコイルを動脈瘤の中に詰め込む治療法です。このような金属のコイルは非常に軟らかく、さらに芯になっている部分に電気を流すと、軟らかいコイル部分が切れる仕組みになっています。手術というと、皆さん手術室で行うとお考えでしょうが、この治療法は脳血管撮影室で行います。

 イメージ像をお見せすると、このようにカテーテルが走ってきます。ガイドワイヤーを動脈瘤に恐る恐る入れていきます。破裂した動脈瘤は、治療する時には出血は止まっていますが、この壁にはどこかに弱いところがあり、そこを突くと、また出血が起こります。したがって壁を傷つけないように慎重に1mmほどのカテーテルを入れていきます。次にコイルをゆっくり入れていきます。入りきったところで電気を流すと、切れ目のところでプツンと切れます。最近は5秒から10秒ぐらいで切れるシステムになりましたが、昔は1時間経っても切れないことがあり苦労しました。このように動脈瘤の中をコイルでいっぱいにしてしまいますと、血液が動脈瘤の中に流れ込まなくなります。色が変わってきましたが、流れが止まった血液は固まるので、コイルと一緒に血液も固まって硬い状態になります。硬い状態の動脈瘤は出血する危険性が少ないわけで、これで治療が完了となるわけです。

 これは豚の頸動脈(けいどうみゃく)に動脈瘤を作り、何カ月後かにコイルを入れた後に見たものです。コイルの向こう側に動脈瘤がありますが、うっすらと膜が張っているのがわかります。最近では動脈瘤塞栓術に使うコイルが改良され、こういう膜が張りやすくなる素材になっています。