ホーム > 講演4「切らずに治す脳卒中」
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第1部 特別講演「脳卒中治療の最先端医療」

野中 雅
中川原座長
  • 中川原譲二氏
  • 中川原譲二氏
それでは講演4に参ります。「切らずに治す脳卒中」ということで、札幌医科大学脳神経外科の野中 雅先生にお願いいたします。野中先生は、現在、札幌医科大学脳神経外科の講師で、脳血管内治療という、カテーテルを使って病気を治す治療の指導医です。日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医でもあり、専門医を三つ持っていらっしゃいます。それでは、よろしくお願いいたします。
野中
 よろしくお願いします。「切らずに治す」という講演タイトルを付けていますが、脳血管内治療という方法についてお話しします。血管の病気は、血管の内側から行けば、病変に到達することができます。脳血管内治療とはそうしたメリットを生かして行う治療法です。

 先ほどから、脳卒中の主な病気は、くも膜下出血、脳出血、脳梗塞(こうそく)という話がありましたが、まずはくも膜下出血についてお話しします。脳動脈瘤(りゅう)といって、血管のコブが破裂してくも膜下出血を起こすわけですが、ここでの治療目標は、このコブが再度破裂しないようにすることです。従来の方法としては、開頭して血管が膨らんでいるところを、チタンでできているクリップで挟んでしまうものがあります。

 これは動脈瘤のクリッピング術です。頭を開けて、ちょうど血管のコブが見えています。通常、動脈瘤が見えたところで、コブの首根っこの部分にクリップを挟みます。これは未破裂の脳動脈瘤ですからきれいに見えますが、くも膜下出血の状態では血の中にあるため見えづらく、当然、手術も難しくなります。しかもこのような治療を行うには、頭を切らないことには到達できないわけです。