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第1部 特別講演「脳卒中治療の最先端医療」
講演2「薬で治す脳卒中」
心原性脳塞栓症で一番多いのは心房細動で、これが3分の2というお話はすでにしました。それ以外の原因で、例えば心筋症とかで心臓の左心室に血栓ができたとか、急性心筋梗塞、これも左心室に血栓ができるのですが、特に発症後2週間以内、それから心臓弁膜症治療の手術で人工弁が入っている方などが、これらに伴って脳梗塞を起こした場合は、ワーファリンを飲むことになります。
心房細動は高齢になるほど頻度が高くなり、75歳以上だと日本人でも7人から8人に1人は発生すると言われています。ご存じのとおり日本は急激に高齢化が進み、それに比例して心房細動の方が増え、その結果として心原性脳塞栓症の患者さんが増えていることが大問題になっています。心房細動のうち、脳卒中を起こしやすい方がいます。特に75歳以上が起こしやすい。脳卒中をすでに起こしている方は、もちろん起こしやすいのですが、高血圧、心不全、糖尿病、心筋梗塞、心筋症の既往がある方は、他の脳梗塞と違ってアスピリンを飲んでも予防できないので、ワーファリンを飲まざるを得ません。
ワーファリンを飲む場合、頻繁に、血液検査をしなければなりません。INRという凝固検査を行い、量を増やしたり減らしたりしなければならないからです。ワーファリンが効かず、INRが2を下回ると指数関数的に脳梗塞の危険性が高まります。効き過ぎて3を上回ると脳出血の危険性が高まります。ですから2と3の間に入るように薬を調節しなければならないのです。ご清聴ありがとうございました。