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第1部 特別講演「脳卒中治療の最先端医療」

講演2「薬で治す脳卒中」

 再発予防対策には2本柱があります。一つは危険因子の管理。もう一つは抗血栓療法です。危険因子の管理は、基本的には1次予防と同じです。高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙、メタボリックシンドロームの管理です。これは食事療法や運動療法では追いつかず、最初から薬物療法で厳格に一つひとつ管理する必要があります。

 抗血栓療法に関しては、アテローム血栓性梗塞、ラクナ梗塞など心臓が原因で起こった脳梗塞以外のすべての脳梗塞は、抗血小板療法が適用になります。心原性脳塞栓症の場合は抗凝固療法です。フィブリン血栓が原因になりますから、アスピリンのような抗血小板薬を飲んでも効果がなく、ワーファリンという薬を飲まなければなりません。ワーファリンを飲んでいる方は、納豆を食べるとその効果がなくなるので、納豆を食べてはいけません。ちなみにアスピリンの商品名でバファリンというのがあり、バファリンとワーファリンが非常に頻繁に間違えられています。アスピリンを飲んでいる方は納豆に注意する必要はありません。納豆を食べた方がアスピリンの効きがよくなります。

 もう少し具体的に見ますと、非心原性脳梗塞というと、アテローム血栓性梗塞、ラクナ梗塞と原因不明の脳梗塞も含めて抗血小板療法の適用になります。具体的には、アスピリンの他にチクロピジン、シロスタゾールという抗血小板薬があり、加えて、ジピリダモールとアスピリンを組み合わせて使う治療法もあります。今年からチクロピジンと同じような作用で副作用が少ないクロピドグレルという新しい薬も発売され、6月1日から全国の病院で使われるようになりました。これもアメリカに遅れること7年。日本では良い薬がなかなか認可されず、一般国民は世界の最新の治療法の恩恵が受けられないというデメリットがあり、こういう状況はなるべく早く解消したいものです。