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第1部 特別講演「脳卒中治療の最先端医療」
講演2「薬で治す脳卒中」
抗トロンビン薬のアルガトロバンや昔から使われているヘパリンは静脈注射する薬です。普通、再発予防に使われているアスピリンを急性期に使っても、ある程度、有効ではないかと言われています。これらの薬は発症後48時間までは効果が期待できます。それから日本では、さらにオザグレルという血小板の働きを抑える注射用の薬も使われています。これは発症後5日以内までは使ってよいことになっています。全体を見るとわかるように、発症後、早く収容されて治療を開始すれば、それだけ治療の選択肢が多く、治療効果も期待できます。ところが時間がたってしまうと、どんどん治療の選択肢がなくなってしまい、それぞれの治療薬の効果も期待しにくくなるということです。ですから脳梗塞急性期の治療は時間との闘いです。
抗血栓療法には3種類あります。一つは抗血小板療法。動脈硬化が起こり、そこに血小板のかたまりができ血管を詰まらせ、それが流れて脳卒中を起こすわけですが、そこを抑える治療法です。放っておくと、血小板の血栓のところに赤血球や白血球が詰まってきて、フィブリンという編み目状の線維が表面を覆い、さらに血液成分を取り込み、どんどん血栓が大きくなります。そうすると脳梗塞が広がってしまいます。それを抑えるのが抗凝固療法です。血栓溶解療法は、血栓そのものを溶かして血流を再開し、神経症状を改善しようという治療法です。
アルテプラーゼは確かに効果が期待できますが、使い方を誤ると脳出血を誘発して、かえって患者さんの状態を悪くすることもあり、両刃の剣のような治療法です。注意を促すため、日本脳卒中学会でも全国でたくさんの講習会を開き適正使用を呼びかけました