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第1部 特別講演「脳卒中治療の最先端医療」

講演1「脳卒中にならないために」

田中座長
 島本先生、ありがとうございました。本日、ご来場の皆さんから、たくさんの質問事項をいただいています。一つひとつお聞きしたいのですが、時間の都合で2、3選ばせていただきました。まず「高血圧で薬を飲んでいる者が、塩分の多いみそ汁を飲んだ場合、血圧は急に高くなりますか」というご質問です。
島本
 一般の食生活で、血圧が上がりやすい一番の要因は食塩です。食塩を取ると血圧が高くなるのは明らかで、昔、秋田など東北地方では1日30から50gの食塩を取っていたため、血圧が高くなり、結果、脳卒中が多かったわけです。ただし、食塩を取ったからすぐに血圧が上がるとか、食塩を3日間制限したからすぐに下がるというものではありません。しょっぱいものをたくさん取ると、のどが渇き、たくさん水を飲みます。そうすると血液の量が増え、心臓から出る血液の量が多くなって血圧が上がっていきます。しかし、一般的にそんなに急激に上がりません。過剰な塩分が長い間蓄積され、血圧が上がるとご理解ください。食塩を減らした場合も、血圧はじっくり下がっていきます。
田中座長
 続いてもう一つ。「糖尿病と脳卒中の因果関係についてお知らせください」というご質問です。
島本
 糖尿病で起きやすい病態は、血管がもろくなるよりも、血管が硬くなって、だんだん狭くなり、それが原因で起きる脳梗塞です。もう一つ、糖尿病は心臓病も多くなります。心臓病になると、そこで血栓ができ、それが飛んで脳塞栓にもなりやすいのです。ですから糖尿病においては、出血よりも動脈硬化をベースとした脳梗塞が増えてくるということがわかっています。
田中座長
 島本先生、どうもありがとうございました。