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第1部 特別講演「脳卒中治療の最先端医療」

講演1「脳卒中にならないために」

 それでもわかりにくければ死の四重奏と考えてよいでしょう。高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満、この四つが重なると非常に動脈硬化になりやすいという考え方です。この中で、厚生労働省でも、ガイドラインを作った私どもも、特にウエイトを置いて考えているのが肥満です。高血圧、糖尿病、高脂血症、いずれも肥満が関係し、肥満の中でもおなかの脂肪が一番いけないということで、内臓脂肪症候群と名称が日本語になりつつあります。

 肥満は糖尿病、高血圧、高脂血症、脂肪肝と、あらゆる代謝系の病気を起こす原因になります。肥満がどうして日本でこんなに多くなったのか。1955年から50年間で大きく増えているのが動物性の脂肪です。次に脂肪、動物性たんぱく質となります。結局、肉なのです。肉の摂取が最初の20年で急激に増え、その後も徐々に増えてきている。エネルギー量は実はずっと変わっていません。重要なのは炭水化物がむしろ減っていることです。カロリーは同じでも、お米が減って肉が増え、その結果、欧米型の食事になりつつあり、肥満、糖尿病、高脂血症が増えていると考えられます。

 肥満については、体重を身長の2乗で割ったBMI指数が25以上と考えられています。肥満の中でも最近注目されているのは、単に太っているだけではなく、脂肪がどこに付くのかということです。おなかに付いている脂肪が皮下に付いている脂肪よりもずっと危険です。おなかに脂肪を付ける要因は、男性ホルモンです。男性はたくさん食べると、おなかに脂肪が付きやすい。女性の方は、おなかよりも皮下に脂肪が付きやすい。どちらも良くはないのですが、悪さからいうとおなかの脂肪の方が圧倒的に良くないのです。また男性の方が女性よりも心筋梗塞は4倍、脳卒中は2倍近く多い。心臓血管系の病気が男性に多いのは、一つは男性ホルモンの影響です。ただし、おなかの脂肪を少なくすると、心臓血管系の病気が予防できるのです。男性だからと諦(あきら)めることはありません。努力して運動すれば脂肪はずっと減っていきます。