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第1部 特別講演「脳卒中治療の最先端医療」
講演1「脳卒中にならないために」
さて、この脳血管障害を起こす原因(危険因子)の中で一番重要なのは何か。皆さんご存じのとおり高血圧です。マクマホンというニュージーランドの方がまとめたものですが、平均拡張期血圧(注)が76から105まで上がるにつれて、脳卒中が増えています。脳卒中の中でも特に血圧が密接に関係するのが脳出血ですが、脳出血は血圧を完全に管理していれば、かなりの部分予防できると考えてよいと思います。(注:いわゆる下の血圧)
一方、脳梗塞は血圧以外にも、いわゆる動脈硬化を起こすいろいろな因子が影響して起こります。いずれにしても脳出血も脳梗塞も血圧の管理が非常に重要であることは間違いありません。
さて脳出血ですが、40年ほど前には低栄養で血管が弱くなり塩分を多くとって血圧が上がり、脳出血が多かったのですが、その後、栄養状態が良くなり、脳出血は減りました。むしろ血管が丈夫になり過ぎ栄養が付き過ぎて詰まる病気が増えています。循環器疾患、心臓血管系の病気の構造自体が、この20年間で大きく変わりつつあります。すなわち血管が弱くて破れる病気から、栄養が付き過ぎて血管が硬くなり詰まる病気が増えてきている。これが動脈硬化性の病気です。例えば、虚血性心臓病、心筋梗塞や狭心症が増えています。これらは心臓にきた場合ですが、脳の血管にくると動脈硬化による脳梗塞が増えてきます。脳梗塞の中でも、あるいは脳血管障害の中でも内訳が変わってきて、むしろ栄養が行き過ぎた脳血管障害が増えてきていると言えるわけです。