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第1部 特別講演「脳卒中治療の最先端医療」

講演1「脳卒中にならないために」

 この図は、日本における死因を示しています。一番多いのはがんで31%、心臓病15%、脳卒中の脳血管障害が14%です。ここで気をつけて見なければならないのは、がんは皮膚から内臓まで、頭、目、耳鼻、口、甲状腺、のど、肺、食道、胃、腸、肝臓などあらゆる場所で起こります。心疾患の中では心筋梗塞が一番気になると思いますが、心筋梗塞(こうそく)は脳卒中の4分の1しかありません。単独の病気で考えると、この中で一番多いのが脳の血管の障害である脳卒中なのです。日本では脳卒中の死亡が少し減ってきていますが、単独の死因を考えると日本で一番多いのが脳卒中です。脳卒中が国民病であると言われるのは、このように、単独の病気で考えれば、一番多く、なりやすい病気であるからです。非常に身近な病気であることを念頭に置き、ならないためにはどうすればよいかを、一緒に考えさせていただきます。

 脳卒中は脳の血管障害です。血管が詰まると、この先、血が行かなくなり、脳の組織が壊死(えし)してしまいます。これが脳梗塞です。詰まる原因として、血管そのものの変化で詰まるものと、心臓系あるいは首の動脈でできた血栓が飛んで起きるものの両方があります。以前、日本で一番多かったのが脳出血です。最近は高血圧の管理で脳出血は減ってきていますが、脳梗塞と脳出血、この二つが脳卒中の中で多い病型です。その他、くも膜下出血や一過性脳虚血発作などがあります。