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−もくじ− □ 血管性痴呆の家族介護のポイント
血管性痴呆の家族介護のポイント
一、原因となる脳梗塞や脳出血の発症、再発の予防 上述の血管障害の危険因子をコントロールし、脳血管障害を予防する為に、きっちりと内科的管理を受けさせることが重要です。患者本人だけではきっちりと内科的管理を受けられないことが多いので、家族が薬物の管理を行ったり、医者を受診させるなど、適切な介入を行う必要があります。
二、残存機能の維持と廃用症候群の治療と予防 アルツハイマー病などに比べ進行することが少ないので、残っている機能を低下させないように働きかけ、長期に安定した状態でいるようにすることが大切です。 動作能力が低下し、自力では歩けなかったりする患者が、何の刺激もない環境で寝たきりの状態を続ければ、周囲に対する興味や関心がうすれ、認知能力が低下し反応が緩徐になり、最後には痴呆になってしまいます。このような状態を廃用症候群といい、脳血管障害を含む神経系の障害、骨・関節・筋の障害による運動器官の異常に伴ってしばしば生じます。特に血管性痴呆では無為・無関心が強く、廃用症候群に陥りやすいため、激励や指示、必要な介助を行い、活動を維持することが必要です。また、家族の負担を軽減するため、デイサービスやショートステイなどの社会資源を積極的に利用することが重要です。
三、事故防止について 活動性を維持することは重要ですが、転倒などの事故を起こしてしまっては何にもなりません。血管性痴呆ではアルツハイマー病などと異なり、痴呆症状に加え、麻痺や感覚障害、仮性球麻痺、姿勢不安定、歩行障害などの身体的障害を合併することが多く、さらに、痴呆症状のみではなく、これらの身体的障害に対する病識も失われるため、患者は自身では転倒や誤嚥などを防ぐための対応を全く行わず、その結果、事故の危険性が激増することに特に注意が必要です。この場合は、日常生活活動全般に付き添いが必要となり、患者ができないことや危険が予測されることを行う場合には、家族は十分な監視と必要な介助をすぐに行えるように態勢を整える必要があります。また事故が生じないように環境整備に努める事も重要です。これらには動作の障害になる物を置かないようにする、階段や廊下などに手すりをつける、転倒しても大怪我にならないように家具の角を防護する、絨毯を引いてクッションの利いた床にする、などがあげられます。
四、日常生活活動の介助について このように日常生活の中で、危険が予測される活動は積極的に介助し、自分でできる活動は時間を要しても、また完全にできなくとも監視と介助を行いながら本人がするようにしていく必要があります。このため何ができて、何ができないかを常に観察して見極めていくことが重要です。 (1)食事 1日3回バランス良く食事がとれるようにして下さい。 高血圧、心疾患がある場合は1日の塩分摂取を制限した食事を、糖尿病がある場合は1日のカロリーを制限した食事をするなど、家族が適切な食事内容にコントロールする必要があります。 (2)排泄 血管性痴呆では失禁がしばしば認められますが、失禁がある場合は、失禁の原因が排尿機能障害によるものか、無為・無関心の自発性低下によるものか、トイレがわからないためか、トイレで衣類を脱ぐのにもたつき間にあわないのか、などの原因・誘因を観察により見極めることが重要です。トイレに誘導する時間を決める、便意や尿意の徴候をとらえ効果的に誘導するなど、原因・誘因に応じた介助の工夫が必要です。 (3)更衣 衣類の準備、交換ができないときは家族が準備する必要があります。更衣動作自体は、脱衣は健側から、着衣は患側から行ないます。立位ではバランスを崩して転倒する危険があるので、必ず座って行うようにします。 (4)整容・入浴 行いたがらないことが多いので、激励・指示が必要です。入浴は事故が起こりやすいので、浴室の環境整備を行い、家族が一緒に入って必要な介入を行えるようにします。 |