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  脳卒中後の嚥下障害

  自宅でできる嚥下訓練

  嚥下障害の方のための食事の工夫


 

自宅でできる嚥下訓練
-言語聴覚士の立場から-

埼玉県立総合リハビリテーションセンター 
言語科 清水 充子

 家族と共に食卓を囲み会話を楽しむことは、より自然な暮らしの行いとして、誰もが望まれることでしょう。脳卒中による摂食・嚥下障害を合併されている方が、誤嚥や肺炎を起こす心配を少しでも避け、食事を楽しまれるように自宅でして頂ける訓練をご紹介します。

嚥下体操

 食べ始めの一口目に起こることが多いとされている誤嚥などのトラブルを避けるために、食べるための準備運動をします。頚のまわりや肩が堅い方は、日中も時々行って身体をほぐすとよいでしょう。椅子に深く腰掛ける、あるいはベッドを起こして姿勢を安定させて行います。(図1

 

発声・発音の練習

 咀嚼や嚥下には唇や舌などの部分が巧みに動いています。図2に示すような発音をするときに使う部分と共通の場所が特に大切な働きをしています。ここに示すような発音がはっきりしない場合は、これらの音を使った発音練習をすると、嚥下運動のためにも有効です。図3のように、目標の音を含む単音、単語、文を言う練習をします。

 

図2 発音に使う部位
(月刊総合ケアVol.9 No.9より)
発音に使う部位

口腔衛生

 口腔内が不衛生の状態では味覚が低下し、おいしさが半減してしまいます。また、飲み込みの反射が起こりにくくなってしまうこともあります。さらに、汚い唾液を誤嚥すると肺炎を起こす危険性も高まります。食べる準備としても口腔内の衛生を心がけましょう。食後にきれいにするばかりではなく、食前にもチェックし口をすすいだり汚れを拭ってさっぱりすると、覚醒もしっかりし食べ始める心の準備も整います。(図4

嚥下反射誘発のための刺激(ごくんと飲み込む嚥下反射が起こりにくい場合)

 図5に示すような刺激を行うと、嚥下反射をおこす感受性を高めることができると言われています。冷たい刺激で覚醒がしっかりする場合もあるでしょう。食事の直前に行います。

食事中の注意の確認

(あわてた食べ方をする場合など)

 図6にあるような内容を繰り返し確認します。食べること、口の中のことに注意を向けることでむせを減らすことができる場合もあります。むせないで食べることができる経験を積みながら、注意することの大切さを実感していただきます。

 

食後のケア

 第一に上記のような歯磨きなどの口腔衛生、そして、すぐにベッドに横にならず、かつ安静にして消化に良い姿勢をとります。およそ 分以上は食休みをしましょう。

リスク管理

 以上のことを実践し、いろいろと気を付けていてもむせが起こったり、微熱が出るようなことがあるかもしれません。体調や体力によっても飲み込みやすさは違うことがあります。微熱があったり痰の量が増えている場合などは、速やかに医師に診ていただきましょう。すぐに相談できるかかりつけ医の先生を持っておかれることをおすすめします。


図6 おいしい食事のために

  • ゆったりと落ち着いて一口一口を味わいましょう
  • 一口の量は少な目にゆっくり噛んで飲み込みましょう
  • 「おまけ」の飲み込みをもう一回!
  • 口の中の物は飲み込んでからその次を
  • むせたときは、咳で出しましょう

  


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