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−もくじ− ■ はじめに □ 介護保険における訪問リハビリテーションについて
介護保険における訪問リハビリテーションについて
脳卒中後遺症の障害は、周知のように年齢や損傷の部位、範囲によって異なり、その経過は、年単位の継続したリハビリテーション(以下リハ)治療にもかかわらず、自立した日常生活にはお手伝いをなお必要とする障害の方がおられる一方、数週間以内に急速に障害が改善して完全に自宅復帰される方々も多く、個人差が目立ちます。 特に現在リハ継続中の皆様にとっては、今後の自立に向けた医療的リハ・サービスが気掛かりかと思います。現在我が国の寝たきりになった方々の直接的原因の34%以上、間接的には60%以上が脳卒中による実態をみますと、適切なリハ治療によって脳卒中後遺症を可能な限り軽症に停める事は、寝たきり予防のための社会的要請でもあります。しかし適切なリハの治療システムは見えているものの、その治療期間や治療方法はまだ明らかではありません。 介護保険施行の今年4月に改定された医療保険における回復期リハ病棟の新設は、このような意味で一つの試みといえます。回復期を終えた方々への地域リハ支援事業の提言もなされておりますが、自立生活のための機能維持や自立機能の不足部分を補うための総合的リハ・サービスの実践・継続の具体性が不明確です。お近くの医療機関の外来リハや介護施設のデイサービス(通所リハ)へ通える場合はともかく、何らかの事情で通えなくなった時が問題となります。発症して長期間を経た脳卒中慢性期では、患者さん自らが考えて動く環境を設定しなければ、麻痺した手足はもちろん麻痺のない側の機能や体のバランス機能も確実に低下の一途を辿るのみならず、いわゆる「ぼけ」の傾向も始まるからです。 この場合の選択として、御自宅へ理学療法士や作業療法士のリハ専門の方々に訪問していただき、家族の方への適切な介助方法の伝達や、直接リハ治療を継続する方法が考えられます。退院時に教わった家庭での介護訓練やその後の通院リハの環境が、訪問する専門家の直接的援助の基に維持できるとすれば、こんな効率的ことはありませんし、それまでの通院に要した時間は日常生活のゆとりになります。 周知のように利用できる訪問リハ・サービスは、医療保険における場合と介護保険における場合があり、背景となる各々の保険制度の規定から、一回当りのリハの時間や回数の違いが明瞭に存在します。医療保険における訪問リハでは、医師の診察後1ヶ月間実施され、1回20分以上週3回までと規定されている一方、介護保険では同じように医師の指示書が必要であるものの、実施時間の規定や回数の制限が無く、御本人の希望に委ねられます。 ただし周知のように一回当たりの自己負担額が全く違います。御自宅での家族介護環境や患者さんの介護度によって、求められるリハ・サービスは当然異なってきますが、脳卒中慢性期の方の機能維持の場合、一割の自己負担(約550円)を要する事を除けば、各々の生活のリズムに合わせて任意に回数を選択でき、長期に継続したリハ指導を受けることが可能である介護保険による訪問リハの方が有益のように思えます。 特にこの他の在宅介護サービスを組み合わせることによって、耐え忍ぶ訓練を、より楽しみな入浴での理学療法やゲーム遊びでの作業療法等のリクレーションに転換して効果を上げることができるかもしれません。御家庭での受け入れ許容範囲に従ったリハ・サービスを最大限利用できる点で、介護保険による訪問リハは意義があります。しかしこれらの有益性のためには、専任専門職の数と訪問地域の広さに現状としてギャップがみられ、支援事業自体が試行錯誤的面もあるため、解決すべき問題はまだまだ大きいものがあります。 |