−もくじ−

  はじめに

 □ 介護保険の基礎知識

  介護保険の「そこが知りたい」Q&A

  介護保険における訪問リハビリテーションについて


介護保険の基礎知識

中山博文(日本脳卒中協会、中山クリニック 医師)、
川越雅弘(日医総研、研究員)、
津浦靖英(国立大阪病院、ソーシャルワーカー)、
小川達也(わかくさ竜間リハビリテーション病院、ソーシャルワーカー)

1、介護保険の概要

(1)被保険者

 65歳以上の第1号被保険者と、40歳以上65歳未満の医療保険加入者である第2号被保険者に区分しています。

(2)サービス受給者

 第1号被保険者の場合、要介護認定で要支援または要介護と認定されればサービスを受給することができます。一方、第2号被保険者の場合、初老期痴呆や脳卒中などの15種類の特定疾病に起因して要支援・要介護になったと認定されれば、サービスを受給することができます。従って、脳卒中による後遺症で介護保険の利用を考えておられる方の場合、40歳以上の方であれば基本的に全員利用可能です。40歳未満で脳卒中になられた方に関しては、Q&Aをご参照ください。

(3)サービスの種類

 介護保険給付対象となるサービスは、在宅サービスと施設サービスに大別されます。要介護者の場合は在宅・施設サービスのいずれも選択できますが、要支援者の場合、在宅サービスのみの給付(ただし、痴呆対応型共同生活介護/グループホームは除く)です。

 主な在宅サービスには、訪問介護、訪問看護、通所介護(デイサービス)、通所リハビリテーション(デイケア)、短期入所サービス(ショートステイ)、痴呆対応型共同生活介護(グループホーム)、福祉用具貸与などが、施設サービスとしては、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設、療養型病床群(介護保険適用部分)などがあります。

 脳卒中の後遺症をお持ちで自宅で暮らしておられる方の場合、リハビリテーションとしては、通所リハビリテーション(デイケア)、訪問リハビリテーション、デイサービスセンターにおけるリハビリテーション(グループで行うもの)が利用可能です。日常生活の介助としては、買い物・掃除等の家事援助、食事介助、入浴介助、通院の際の付き添い、等があります。その他に、介護機器(ベッド、車椅子等)の貸与、福祉用具の購入(ポータブルトイレ、入浴補助用具等)、住宅改造(手すりの設置、段差の解消)などのサービスも利用可能です。嚥下障害があるために鼻から経鼻胃管をいれている方や膀胱に留置カテーテルをいれている方などは、訪問看護ケアを利用できます。デイサービスセンターの通所介護は、ご本人がセンターで食事、入浴、リハビリテーション等のサービスを受けられるばかりでなく、介護者であるご家族がその間休息を得ることも出来ます。短期入所サービスには、介護老人福祉施設等に短期入所し、食事等の介護、必要な機能訓練等を行う短期入所生活介護と、介護老人保健施設・病院等で短期間入所し、看護・医学的管理下における介護や機能訓練等を行う短期入所療養介護があります。いずれも、日頃自宅で生活をされている方が、ご本人のリハビリテーションやご家族の休息を目的に、短期間(1ヶ月以内)介護老人保健施設や介護老人福祉施設に入所するサービスです。後遺症が重篤で自宅で生活することが困難な場合、介護老人福祉施設、老人保健施設、病院の介護療養型病床群への入所に介護保険が利用できます。

 

2、介護保険の利用手順

 ご利用を希望される方は、まず市町村の窓口で申請をしてください。申請書には「かかりつけ医」を記入する欄があります。そこで指名された「かかりつけ医」が主治医意見書を記入しますので、ご自身の病状や障害について最もよく知っておられる先生、日頃診ていただいている先生のお名前をお書きください。「かかりつけ医」がない場合は市町村の窓口でご相談ください。主治医意見書を書いてくれる医師を紹介してくれます。この申請は本人が直接行うほかに、家族や居宅介護支援事業者(ケアプラン作成機関)などが代行することも可能です。

 申請を受けた市町村等は、訪問調査員を派遣し、申請者の心身の状況や特別な医療の実施状況等を評価し、その調査結果をコンピュータにかけ、一次判定を行います。加えて「かかりつけ医」に対し、主治医意見書の記載を依頼します。訪問調査に基づく一次判定結果と、訪問調査員の特記事項、主治医意見書の記載内容は、保健・医療・福祉の学識経験者で構成される介護認定審査会にかけられ、判定は、自立、要支援、要介護1〜要介護5のいずれかに判定されます。ちなみに、最初に紹介した奈良県脳卒中者友の会「桜の会」の調査では、申請者139名のうち、自立は2%、要支援も2%、要介護1は20%、要介護2は24%、要介護3も24%、要介護4は20%、要介護5は8%という判定結果でした。判定結果および審査会の付記事項は、被保険者証に記載されて申請者に返送されます。

 要支援・要介護と認定されれば、次にケアプランが作成されます。これは本人あるいは依頼を受けた介護支援専門員(ケアマネジャー)が作成します。御本人の希望に基づいて作成されたケアプラン原案は、保健・医療・福祉のサービス提供者が参集したケア会議にて内容が検討された後、介護支援専門員が検討結果を利用者や家族に説明し、同意を得る手続きをとります。そして、最終的なケアプランに基づき、サービス提供が開始されます。

3、経済的負担はどれくらいかかるのか

(1)保険料

 第1号被保険者(65歳以上)の保険料については、住んでいる市町村とその方の所得によって異なります。加えて、特別対策として、平成12年4月から9月までの半年間は保険料は免除されており、平成12年10月からの一年間は保険料が半額になります。第2号被保険者(40歳から64歳までの方)の場合、医療保険料に上積みして一括して支払うことになります。保険料は、加入している医療保険によって異なり、大阪府の平均は3、134円です。

 

(2)利用者負担

 介護保険では、要介護度に応じて月当たりの保険給付限度額があり、保険給付限度額内でサービスを利用した場合、原則利用料の1割を定率で負担することになります。但し、ケアプラン作成費用は無料です。市町村によっては1割負担に対する補助をしているところもありますので、お住まいになっている行政窓口でお問い合わせください。福祉用具購入費と住宅改修費の支給には限度があり、前者は一年間当たり十万円、後者は原則1回限り二〇万円(要介護度の悪化、転居の場合は再給付可能)が上限です。

 保険給付限度額は要介護度によって異なり、要支援は6、150単位、要介護1は16、580単位、要介護2は19、480単位、要介護3は26、750単位、要介護4は30、600単位、要介護5は35、380単位で、これは全国共通です。これらの限度額を超えて利用した場合は、限度内の分については1割、超過分については全額自己負担になります。ここで、「単位」について説明します。介護保険サービスの料金は単位で表され、標準的には「1単位=10円」で換算されます。ただし、地域の実情に応じてサービス内容別に地域加算が決められているため、お住まいの地域と利用サービスによって少し異なります。例えば、大阪市の訪問介護は「1単位=10.6円」、訪問看護は「1単位=10.4円」で換算されます。代表的サービスの料金について、表1(1〜3)をご参照ください。施設サービスを利用する場合、1割負担に加えて食事に係る標準負担額および日常生活費を負担しなければなりません。1割の負担が高くなる場合、月額37、200円で頭打ちになります(高額介護サービス費)。加えて所得の低い方の場合、軽減措置があります。これに関しては、Q&AのQ4をご参照ください。

 


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