第16回循環器病チャリティーゴルフ講演会

 

−もくじ−

  まえがき

   講演


今、脳卒中を考える

国立循環器病センター名誉総長
日本脳卒中協会会長

山 口 武 典

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 日本の脳卒中の現状ですが、先程述べましたように国民死亡の第3位です(スライド3)。有病率つまり患者さんがどのくらい居られるかは、厚生労働省の2001年の報告では、131万人です。最も問題になるのが、医療費が1兆8000億円かかっていることと、要介護になる原因の第1位であるということです。脳卒中は一旦起こしてしまうと何らかの障害を残す、その為にその人の生活の質が非常に落ちてくるという意味で極めて重大な病気です。

 行政の方でも脳卒中は今まであまり問題にされていませんでした。生活習慣病対策室に「脳卒中の研究費をもう少し増やして下さい」と以前お願いに行った事がありました。その時も「高齢者の病気ですから」とか、「寝たきりゼロ作戦はやりました」という事で、あまり相手にしてもらえませんでした。ただ5〜6年前から脳卒中対策にも力を入れて頂いて大変喜んでいるところです。

 脳卒中の診療がここ20年程の間に、非常に変わって参りました(スライド4)。どういうことかというと、「画像診断」が著しく進歩した。つまり、病気のある部分が目で見えるようになったのです。その中で最も威力を発揮しているのはMRI(磁気共鳴画像診断装置)という機械です。強力な磁場の中に身体を入れて、その時の細胞内の原子の動きを捕えるやり方なのです。最近のMRIでは、脳梗塞が完全に出来上がる前に既に診断がつく、或いは、出来上がった部分だけが映し出されます。また、MRAという方法では血管が見えるのです。血管の状態が全く動脈に針も刺さないで分かるのです。

 画像診断のもう一つ大きな進歩は、超音波検査です。超音波というのは、魚群探知機によく使われて、この辺に魚がいるというのが超音波の反射で分かるものですが、それを血管に応用して血管の中の状態を診るのです。これらについては、後程お見せします。

 もう一つは、新しい治療法が出来てきたこと。それは、やはりこの画像診断の進歩によるところが大きいと思います。最も重要なものを3つだけ挙げます。一つは、一旦詰まった血管の血栓を溶かしてしまう薬が出来てきたということ。それを血栓溶解療法といいます。二つ目は、脳を保護する、つまり死にかけた細胞、血液の流れが悪くなってだんだん衰えてきている細胞に対して何とか生き延びさせるような薬が出てきました。三つ目は、血管内外科と呼ばれる低侵襲的な治療法の発達です。今までは頸部の動脈が狭くなった場合は、狭くなった部位の血管を切り開いて中にある血栓や動脈硬化を起こした病変部を取り出す、或いは動脈瘤が破れると頭を開けて動脈瘤にクリップをかけるというような方法があったのですが、最近では、管を動脈に入れて、狭くなったところを風船で広げて、そこにステントと呼ばれる材料を入れて広がったままにするとか、動脈瘤の中にコイルを入れて破れないようにするという様に、切らないでもよい治療法が沢山でて参りました。

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▼スライド3

スライド4


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