第16回循環器病チャリティーゴルフ講演会

 

−もくじ−

  まえがき

   講演


今、脳卒中を考える

国立循環器病センター名誉総長
日本脳卒中協会会長

山 口 武 典

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 今日は、「生活習慣病の中でも、とくに老化を進める脳卒中」のお話をさせて頂きます。病気のことは、話だけではなかなかお分かりになりにくいかと思いますので、今日はスライドを使いながら話させて頂きます。

 

 脳卒中という病気は昔からありましたが、病気としては余り注目されていませんでした。そして、脳卒中は「病気の中のシンデレラ」であると言われておりました。なぜ、シンデレラかと言いますと、シンデレラが王子様と会ってダンスパーティの会場にガラスの靴を残して云々という、ハッピーエンドになる前の話しであります。継母やお姉さん達からいじめられ、「いつも虐げられていた」ということから、「脳卒中は病気の中でもシンデレラのように虐げられていた」という意味です。何故かというと、脳卒中は一旦起こってしまうと治療法が全く無かったので,医師の間でも余り関心をもたれていませんでした。そのためヨーロッパなどでも、「脳卒中を起こしたら馬小屋に寝かせておけ」と言われていたとのことです。

 まず、日本では脳卒中が現在どういう状態にあるかをお示しします(スライド1)。1951年(昭和26年)に結核に替って国民死亡の第1位になりました。そのままどんどん増え続けましたが、1970年をピークに少しずつ下がってまいりました。1981年に癌、1985年には心臓病に抜かれて、現在第3位の状態です。抜かれたのは悔しいのではなく、むしろ非常に喜ばしい事であります。

 1960年の厚生省の人口動態統計によりますと脳卒中で亡くなられる患者さんのうち、約4分の3は脳出血で、脳梗塞によるものは僅かに13%でした(スライド2)。その当時の死亡率は、10万対160で非常に高い値でした。ところが約40年過ぎた1999年には、この比が逆転しまして、脳出血は約3分の1に減り、脳梗塞は5倍近くに増えています。完全にこの比が逆転したのは何故かというと、これは第一に血圧のコントロールがうまくいくようになったという事が挙げられると思います。また、そのほか、食生活の欧米化も脳梗塞の増加に影響していますし、CTによる病型診断の正確化も関与しているようです。

 今示した中で現在最も多い脳梗塞について今日はお話します。脳梗塞を起こすとどうなるかといいますと、完全に良くなるのは2割足らずで、この2割を含めて何とか自分で生活できるのが全体の6割、残りの4割は介助が必要かまたは亡くなってしまう。死亡率は10%以下で、諸外国に比べると非常に低いといっても良いと思います。

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▼スライド1
スライド2


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