−もくじ−

 ■ 総論

 ■ 車椅子と歩行補助具の上手な選び方

  装具の処方の受け方

  知っておきたい制度

  住宅改造のヒント


装具の処方の受け方

 

横浜市立大学医学部附属病院
リハビリテーション科
菊地 尚久
 

 短下肢装具など体に直接つけるものと歩行補助具や車いすなどの福祉用具では処方の受け方が異なります。また、後者である福祉用具については介護保険対象者と非対象者でも受け方が異なります

 

(1)短下肢装具など体に直接つけるもの

 治療・訓練のために健康保険の制度を利用して作成する治療用装具と半永続的に日常生活のために使用するものとして身体障害者手帳を利用して作成する更生用装具があります(図参照)。

 治療用装具は麻痺が生じた後に、病院で立位や歩行の訓練を行なう際に必要な装具として作成するものです。これは医師の処方によって義肢装具士が作製にあたり、患者の手に渡ります。制度上はこの処方は保険医であれば可能ですが、義肢装具士が常駐しているか、業者としてその病院に来ないと作製できません。装具の作製がその病院で可能であるかは、まずリハビリテーション医・整形外科医などの専門医に尋ねてみるのがよいでしょう。

 更生用装具は、障害者が生活上必要とするものとして身体障害者福祉法に基づいて公費負担されるものです。この装具の処方を受けるには身体障害者手帳が必要となります。図にあるように各市町村にある福祉事務所が窓口となり、各都道府県や政令指定都市にある更生相談所で医師の判定が行なわれた場合に作製が可能となります。治療用装具と異なるところは年限を過ぎると作り直しができること(例えば短下肢装具では3年)、破損した場合には公費で修理ができることです。ただ公費負担とはいっても所得に応じて自己負担がかかる場合があるので注意が必要です。この装具の処方を受けるには先に述べた福祉事務所か更生相談所に行くことが必要となりますが、地域によっては指定された病院の医師でも処方の可能な場合がありますのでまず各市町村にある福祉事務所に相談するとよいでしょう。

 

(2)歩行補助具や車いすなどの福祉用具

 介護保険制度の施行に伴い、40歳以上65歳未満の特定疾病が原因で介護が必要な者と65歳以上の高齢者で介護が必要な者が介護保険対象となり、これに該当する方は介護保険利用となります。脳血管障害も特定疾病ですので多くの方は介護保険での処方を受けることとなります。

 介護保険で福祉用具の処方を受けるには要介護認定を受けることが必要です。これは各市町村に介護保険担当課がありますのでここに相談して下さい。その上で希望の福祉用具をレンタルすることとなります。制度上医師の処方は不要ですが、その必要性と安全性については自己責任となってしまいますので、あらかじめかかりつけ医や専門医に相談した方がよいでしょう。

 また介護保険の非対象者で身体障害者手帳を所持している方は先に述べた身体障害者に対する公費負担制度による処方を受けることができます。

 介護保険制度と身体障害者に対する制度の大きな違いは介護保険ではレンタルが基本であるのに対して、身体障害者に対する制度では交付が基本であることです。

  


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