日本脳卒中協会について

脳卒中市民シンポジウムの開催

平成9年に設立記念国際シンポジウムを大阪にて開催し、平成10年から毎年1回、一般市民、脳卒中患者・家族、医療従事者を対象に脳卒中市民シンポジウムを開催し、脳卒中患者による脳卒中体験講演、脳卒中の予防・治療に関する講演、脳卒中医療の専門家による脳卒中対策の問題点に関するパネルディスカッションを行なっています。開催後は全国に普及するべく、その講演要約を新聞紙上に掲載し、講演録(採録)をインターネットホームページに掲載しています。

その他に、各地の支部で市民公開講座を開催しています。

電話相談

平成10年1月から、一般市民を対象に「脳卒中なんでも電話相談」を支部にて行っています。一般市民、脳卒中患者・家族からの電話・ファックスによる相談を受け付け、相談は無料で、相談に答えるのはボランティアの医師、保健師、ソーシャルワーカー等です。支部毎に、曜日・時間帯を決めて受け付けており、平成23年度は合計370件の相談を受けました。

脳卒中体験記の発行

平成10年から脳卒中体験記「脳卒中後の私の人生」を募集し、入選作品集を発行し、希望者および会員に無料配布しています。

脳卒中週間の実施

脳卒中に関する知識を広め、一般市民の脳卒中に関する理解を高めることを目的に、平成14年から毎年5月25日から31日を「脳卒中週間」とし、啓発活動を開始しました。公募した標語を盛り込んだポスターを制作し、脳卒中週間前後の期間に日本脳卒中協会会員の医療従事者が勤務する医療機関、全国の理髪店、ローソン等に掲示していただいております。また、その期間に市民講座を開催しております。

平成25年度は458の応募作品の中から選考委員会において「‘呂律が回らず手がしびれ’これはともかく救急車」が脳卒中週間標語として選ばれました。

調査・研究

・一般市民の脳卒中に関する知識調査

一般市民の脳卒中に関する知識の実態調査(記入式)を平成10-11年に行い、脳卒中の危険因子(それがあると脳卒中になりやすい生活習慣や病気)を1つ以上正確に答えられたのは4割、脳卒中の症状を1つ以上正確に答えられたのは3割であることが明らかになりました。

平成18年度には、秋田市、静岡市、呉市において、40歳以上75歳未満の男女、約1万1千人を無作為抽出し、脳卒中の危険因子および発症時の症状および対処法についての知識、情報源に関する郵送アンケート調査(多項目選択式)を実施しました。約半数の方から回答をいただき、高血圧や高脂血症が危険因子として広く理解されているものの、糖尿病、不整脈が脳卒中危険因子であると認識している人は少なく、症状については、手足の運動や言葉に関する症状についての知識は普及しているものの、視野障害といった余り馴染みのない症状については理解度が低いことが明らかになりました。また、約半数の人が「両手指の痺れ」を症状と理解しており、「突然」「片側で」という特徴が十分に理解されていないことが示唆されました。発症時の対応については、大部分の人は救急車を呼ぶと回答されました。情報源として多くの人がテレビや新聞などをあげていることから、マスメディアを介した知識の普及が効果的であることが示唆されました。

・脳卒中啓発キャンペーン効果の評価

・テレビ・ラジオを用いた効果的市民啓発方法の開発とその評価

NHK岡山放送局、川崎医科大学との共同事業として、平成21年4月から平成22年3月末まで「脳卒中防止キャンペーン」を実施しました。この期間、NHK岡山放送局が、毎週1回夕方のテレビローカルニュース枠で約15分間の脳卒中に関する特集を放送し、平日は毎日2回以上、1分間のテレビスポット広報が流されました。更に、公開放送などのイベントの際に、脳卒中に関するパネル展示が行われ、NHK岡山放送局ホームページにも脳卒中に関する情報が掲載されました。

このキャンペーンの効果を評価するために、キャンペーン前後に、モデル地域(岡山市)及び対象地域(呉市)の電話帳から無作為抽出された40歳以上75歳未満の960名(男女各々490)名に対して、脳卒中の発症時の症状、発症時の対応等についての聞き取り調査を実施しました。その結果、キャンペーンの知識改善効果が明らかになり、Stroke誌に論文が掲載されました(Miyamatsu N et al. Stroke 43:545-9, 2012)。

・観血的な医学的処置時の抗血栓療法の管理に関する研究

・t-PA(アルテプラーゼ)静注療法実施可能な医療機関の調査・公表

各都道府県において脳梗塞急性期に対するt-PA静注療法が実施可能である医療機関を調査し、その中で一定の条件を満たす医療機関を選定し、当該施設の了解を得た上で、平成23年1月から日本脳卒中協会ホームページで公開しています。このシステムは、@全国の脳卒中急性期医療を担う医療機関に協力要請を行い、A協力医療機関がインターネットを用いて医療機関情報を入力し、Bそれに基づいて公表検討委員会が公表医療機関を選定し、C一般市民が日本脳卒中協会のホームページからt-PA静注療法実施医療機関を検索できるようにしたものです。尚、この調査は、定期的に更新されています。

・脳卒中データバンク事業

我が国の脳卒中診療の実態を把握することを目的に、日本脳卒中協会のなかに「脳卒中データバンク部門」を設け、厚生科学研究事業「脳卒中急性期患者データベースの構築に関する研究」(主任研究者 小林祥泰)で作成されたデータベースを引き継ぎ、脳卒中データベースを構築しています。平成25年1月の時点で199施設が参加し、110,000例が登録されています。

脳卒中に関する資料の配布

協会が作成した会報・小冊子および収集した資料を希望者に配布しております。

脳梗塞解説書の出版

「Evidenceに基づく日本人脳梗塞患者の医療ガイドライン策定に関する研究班」から原稿をご提供いただき、一般市民向けの解説書「脳梗塞とはどんな病気?」を平成18年1月に出版しました。

脳卒中啓発キャンペーン(ブレイン・アタック キャンペーン)

脳卒中の症状、発症時の迅速受診の必要性について知識の普及を図るために、全国的には、公共広告機構の支援を受けて、平成18年7月から新聞広告によるキャンペーンを実施しています。平成20年7月から平成24年6月までテレビ・ラジオ・新聞・雑誌の4メディアによるキャンペーンを実施しました。